5. 黄泉の国Yominokuni
伊邪那美(イザナミ)が、最後に火の神 火之迦具土(ホノカグツチ)を産んだときに火傷を負い、 それがもとで伊邪那美は亡くなり、 この黄泉(よみ)の国へと旅立つことになります。
夫である伊邪那岐(イザナギ)は伊邪那美を追って黄泉の国にまで行き、帰ってくるように説得をします。すると伊邪那美は「私はもうこの黄泉の国の食物を食べてしまっています。しかし、あなたがそれほどまでに言うのならば、帰れるか相談してみます。しかしよいですが、それまでは決して私の姿をみてはなりませんよ。」と。
しかし、伊邪那岐はとうとう振り返って伊邪那美の姿を見てしまいます。そこには、死体となって腐って蛆が湧く伊邪那美の姿がありました。 その姿を見て、伊邪那岐はショックを受け、逃げ帰ろうとします。それを知った伊邪那美は「おのれよくも私に恥をかかせたな」と伊邪那岐を追ってきます。 そして、「おまえの子孫を毎年100人殺そうぞ」と呪詛の言葉を投げかけます。返す伊邪那岐は「ならば私は毎年1000人の子供を産ませよう」と返します。
そしてようやく地上の世界にたどり着き、その黄泉への国へと通じる穴を大石で塞ぎます。 それは、黄泉比良坂(よもつひらさか)に今もある大石とされています。
[ 黄泉比良坂(よもつひらさか)の大石 ]
出雲には、他にもこの現世(うつしよ)と黄泉との境があると云われる場所が存在し、「猪目洞窟」と呼ばれる海岸近くの場所や、「揖夜(いや)神社」と呼ばれる神社があります。
そしてまた、黄泉の国は別名” 根の国 ”とも呼ばれます。