9. 伊邪那岐 伊邪那美Izanagi Izanami
世の初め、天之御中主(アメノミナカヌシ)は、地上に国を造る
ために、高天ヶ原(たかまがはら)から男神伊邪那岐(イザナギ)と女神伊邪那美(イザナミ)をこの世界に遣わしました。
両神は、天の浮橋(あまのうきはし)からこの地上世界に天の沼矛
(あめのぬぼこ)を立て、引き揚げた時に滴が落ち、初めの島”淤能
碁呂島(おのごろじま)”が出来ました。
そして、この二神はみずからが造ったこの島に天下り、夫婦の交わり
をなし、淡路島、四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡ヶ島、本州
と、次々と八つの島を生み、豊秋津根の大八嶋
(とよあきつねの
おおやしま=日本列島)が完成しました。

画 〔新補倭年代皇紀絵章より〕
そして、伊邪那岐と伊邪那美は、世界を造るために、風の神、 穀物(五穀)の神、河の神、山の神、海の神、岩の神、土の神、 木の神、をつくりました。
次に、世界を治める神として日の神天照大神(アマテラスオオ ミカミ)を、そして弟として夜の世界を治める月読之命(ツキヨミノ ミコト)を、そして海の国を治める素盞鳴尊(スサノオノミコト)を 産みました。
しかし、最後に火の神 火之迦具土(ホノカグツチ)を産んだとき に火傷を負い、 それがもとで伊邪那美の神は亡くなり、黄泉の国へ 旅立ってしまったのです。